老人ホームの入居体験をしてみよう!必要な準備やチェックポイントを解説!

みなさんは老人ホームの入居体験を勧められたことはありますか?中には「日帰りの見学で十分なのでは?」と思う方もいるかもしれませんね。しかし実際は、老人ホームを決める前に入居体験することは、とても大切です。

この記事では、老人ホームの入居体験とはどんなものか、なぜ必要なのかをわかりやすく解説し、入居体験するための準備や施設でチェックすべきポイントをご紹介します。関連情報|老人ホーム紹介|ウチシルベ

1.老人ホームの入居体験とは?

老人ホームとは、高齢者が日常生活の支援・健康管理・機能訓練などのサービスを受けながら入居生活する施設の総称です。市町村が運営する公立の施設と、民間が運営する施設の2種類に大きく分けられます。老人ホームの入居体験とは、民間が運営する老人ホームにお試しで一定期間入居できるサービスです。

入居体験の期間は、施設により1泊2日から3か月までとさまざまで、費用は食費・レクリエーション参加費などの実費がかかり、1泊につき3,000円〜20,000円と差があります。

一般的には、期間は3日〜1週間程度、費用は1泊4,000円〜15,000円程度が多く見られます。

2.入居体験の目的とその内容は?

民間の老人ホームは本格的に入居する場合、入居一時金と月額費用を合わせると年に100万円を超えるお金がかかります。また、一旦入居すればそこで生活することになるため、内容をしっかりと把握することが重要です。

しかし、パンフレットを見たり日帰りで見学したりするだけでは、表面的な情報しか得られません。そのため費用に見合うサービスを受けられるのか、自分が快適に生活できる環境なのかなど、実体験をもって確認する目的で入居体験が行われているのです。

入居体験では1日を通し、3度の食事・リハビリテーション・入浴・レクリエーション・おやつ・団らんなどを、実際の入居者と同じスケジュール・同じ内容で経験します。また、部屋の清掃や洗濯などの生活支援もあり、必要に応じて入浴・食事・排泄介助などの介護サービスも受けられます。

3.入居体験するためには?

貴重な情報を得られる入居体験ですが、体験には実費分の費用がかかるほか時間も手間もかかります。また、あまり多くの施設で入居体験すると情報量が多くなり過ぎ、かえって混乱して迷いが出てしまう可能性があるため、多くとも2〜3施設に絞ることをおすすめします。

そのためには、まずは自分の希望・金額の上限や「ここは譲れない」などの条件を箇条書きなどにして、優先順位をつけて整理しましょう。次に、その希望や条件に合って、かつ自分の介護度や持病などの状況でも対応可能な施設について、ケアマネージャーや市町村の高齢者相談窓口に問い合わせたり、インターネットで検索したりして探し、気になる施設があったら直接資料を送ってもらいます。

そして届いた資料を見てさらに良いと思った施設に日帰りで見学させてもらい、その結果を踏まえて入居体験する施設を決めると良いでしょう。入居体験する施設を決めたら、その施設に入居体験を申し込みましょう。申込みの際は、施設指定の申込書のほか健康診断書を求められる場合があります。

あらためて健康診断を受ける場合は、健康診断書が発行されるまで10日前後かかる場合があるため、入居体験の日程はそのことを踏まえて余裕を持って設定する必要があります。また、事前に面談しさまざまな質問に答えたり詳細な説明を受けたりする場合もあります。

入居体験を有意義なものとするためにも、面談や入居体験の前に、今一度普段の生活の様子・介護度や持病など心身の状況・施設での生活に対する希望などを簡単にまとめておきましょう。また、説明されたことやその都度感じたこと・気づいたことなどは、後から思い返せるようメモしておくことをおすすめします。

4.入居体験のとき準備する物は?

いよいよ入居体験が決まったら、施設に持参する物を準備しましょう。次に一般的に準備する必要がある6点をご紹介します。ただし、施設によってはいらない物やほかに必要な物もあるためあくまで参考としていただき、実際は入居体験する施設から指定された物をお持ちください。

一つ目は「靴」。老人ホームまで履いていく外履きと施設内用の内履きが必要です。普段履き慣れている靴や歩きやすい靴を選び、転倒防止のため室内でもスリッパは避けましょう。二つ目は「着替え」。3泊までなら滞在日数分、それ以上の場合は4〜5日分あると良いでしょう。

施設のサービスとして洗濯してもらえるため、その頻度を確認しそれにより増減して構いません。短期の場合は浴衣が用意されている施設もありますが、もしなければパジャマも必要です。また、外出に備えて帽子も持参しましょう。

三つ目は「歯磨きセット」。歯ブラシやコップ、入れ歯の場合は入れ歯ケースや洗浄セットも必要です。四つ目は「お風呂セット」。せっけん・シャンプー・リンスなど、施設に用意されている場合もありますが、施設にない場合や使い慣れた物が良い場合は持参しましょう。

五つ目は「消耗品」。ティッシュ・おむつ・綿棒など、普段生活で使用している物を、施設に滞在する日数分用意します。六つ目は「薬や器具」。日常服用している薬が日数分必要です。また、メガネや杖・使用に応じて医療器具も持ち込みます。

5.入居体験したらチェックすべきことは?

その老人ホームに本格的に入居するかどうか決めるため、入居体験でチェックすべき項目を6点ご紹介します。

5−1.雰囲気・居心地

まず、施設に入ってロビーや食堂などの共用スペースの雰囲気を感じてみましょう。明るくて清潔な感じがするでしょうか?そこで過ごす入居者はリラックスして思い思いに過ごしているでしょうか?また自分の部屋は居心地が良さそうですか?何か嫌な感じや違和感を感じないか、又はホッと安心できる感じがするかなど、自分の正直な心の声に耳を傾けてみてください。

さらに、入居者と挨拶を交わし日々の感想を聞いてみるととても参考になります。ただその際は、プライバシーを探るような質問や失礼に当たるような質問や受け答えをしないよう配慮する必要があります。

5−2.スタッフの様子

スタッフについては自分に対する応対だけでなく、働きぶりや他の入居者への対応などもしっかりと観察することをおすすめします。例えば働きぶりなら、イライラなどしておらず声をかけやすい余裕のある柔らかい雰囲気か・スタッフ同士の関係は良好そうか・だらだらせずキビキビ動いているか・表情がイキイキしているか、など。

入居者への対応なら、どんな相手にも敬意を持って接しているか・いつでも何かに対応できるよう見守っているか・入居者同士のコミュニケーションを助けているかなどに注目し、自分がそこの一員となった場合、気持ちよく毎日を過ごせるかどうか置き換えて考えてみましょう。

5−3.食事内容・味

入居体験では実際と同じ食事を食べるため、献立・食事の量・おかずの種類・栄養バランス・味付けはどうかなどをチェックします。また、アレルギー対応・医療食・介護食が必要な場合はどのように対応しているか、苦手な食べ物がある場合はどのように対応するのか、どんな調理方法かなども確認すると良いでしょう。

5−4.サービスの質

施設に入居すれば、食事介助・入浴介助・リハビリテーション・排泄介助・緊急時の対応などさまざまなサービスを受けることになります。これらのすべてを入居体験で経験することはできないかもしれませんが、体験できないことはしっかりスタッフや入居者に聞くなどして、満足できる質が保たれているかなどの情報を集めましょう。

特に排泄介助は1日に何度もお世話になる可能性があり、心身ともに健康に過ごすために欠かせないものです。今は必要なくても、おむつを換える回数や、スキルがあって安心して任せられるスタッフが丁寧に対応しているかなどしっかりチェックしておく必要があります。

5−5.施設の設備

建物の内部については、掃除が行き届き清潔か・温度調節は快適か・生活音や臭いが気にならないか・段差がなく手すりが設置されるなどのバリアフリー対応か・共用部分や個室などのスペースに余裕があるか・個室はプライバシーが守られているか・私物を収納するスペースがあるか・防災や防犯対策はしっかりしているか・十分な入浴設備か・娯楽設備は何があるか・共用の設備は何かなどをチェックしましょう。

5−6.施設の周囲

施設の外側に関しては、最寄り駅に近いか又は送迎サービスがあるかなどで外出しやすいか・近所に安心して散歩できるところがあるか・地域とのつながりがあるかなどを確認しましょう。特に自立できている人が入居する場合、長くその状態を保ち健康にイキイキと生活するためにも、気軽に出かけやすい環境や地域コミュニティーへの参加しやすさなどはとても大切です。

入居体験で自分に合った施設を見つけましょう!

高齢者がさまざまなサービスを受けて生活できる老人ホーム。入居すれば安心感もある一方、新しい環境に馴染めるのかなど不安に感じることもあるでしょう。そこで、もし老人ホームへの入居をお考えなら入居体験することをおすすめします。

雰囲気・スタッフや入居者の様子・食事・設備などを実際に体験すれば、自分に合うかどうかがわかり安心できますよ。

みなさんがこれからも快適に自分らしく過ごされますよう心から願っています。